登場人物 森口家
告白情報
- 森口 悠子(もりぐち ゆうこ)
- 演 - 松たか子
物語の主人公にして、第一章『聖職者』、第六章『伝道者』の語り部。
S中学校、1年B組の担任。学生時代には化学の研究者という道もあったが、家が貧しく、安定した職に就きたいという思いから理科教師になった。結婚目前に妊娠が発覚、喜びも束の間、恋人の桜宮正義がHIVに感染していることが発覚する。自身と胎内の娘に感染はなかったが、ショックは大きかった。「子どもは産んで欲しい」「子どもの幸せを最優先に考えたい、HIV感染者である自分の為に差別されることはあってはならない」という彼の頑なな態度が崩れず、未婚の母となる。一人娘の愛美を、甘やかしはしないが溺愛していた。教師としては無理をしないで熱血教師を目指さず、生徒を信頼し過ぎず中学生特有の未熟さ幼稚さを冷静に否定しながら、一方で学業やクラブ活動等で結果を出した生徒に対しては一人一人きちんと評価し、そのことをクラスメートの前で褒めるなど、生徒の一部からは評判が良かった。潔癖な性格で、恋人の桜宮を尊敬しているという教え子にも「教師になってからの彼だけ見習って欲しい」と言い、マスメディアに過剰に取り上げられる少年犯罪については「少年少女達による犯罪を大袈裟に騒ぎ立てる報道は、かえって彼らを自己陶酔させるだけ」という持論を持つ(そのため後述の娘が殺害された真相を知った際も警察にそのことを伝えなかった)。
2月13日。娘の愛美が保健室にいないことを知り、教え子達と共に彼女を探すが、プールで溺れて浮かんでいる娘を発見。人工呼吸などの応急手当の甲斐なく、娘は命を落とす。その後事件を独自に調べ上げ、事故とするには不可解な点をいくつか見つけ、この事件が殺人であること、犯人が自らの教え子である渡辺修哉と下村直樹であること、彼らが愛美を殺す相手に選んだ理由が、あまりに理不尽なことだということを知る。
犯人である渡辺と下村への憎悪から復讐の鬼と化し、3学期終業式のホームルームにて「娘を殺害され、教師の仕事を辞めることを決意した」と告白。事件を調べ上げた結果と、クラスの誰もが渡辺と下村とわかる犯人の「少年A」「少年B」のプロフィールを発表。そして、桜宮の血液を渡辺と下村の牛乳の中に混入させたことを宣告する。教え子達に犯人二人への敵意を植えつけた後は宣言した通りS中学校を去り、その後しばらくは桜宮と一緒に二人だけで生活をしていた。
後にこのまま復讐しても気が晴れることはないと自分の気持ちに区切りをつけ、人生を一からやり直そうとしていたが最初の復讐が桜宮の手によって阻止されたことから第二の復讐を決行。桜宮の元教え子である新任教師の寺田を利用し、下村と母親との歪んだ母子関係を揺さぶって下村への復讐は成功した。渡辺に関しては、エイズになりたがってさえいたことや北原を殺したことをウェブ上に掲載された遺書を見て知り、復讐に失敗したことを知る。彼の悲しい生い立ちを知り、事の発端と渡辺の弱点は渡辺の母親だということを知ると、今までの中で最も恐ろしい復讐で渡辺を追い詰める。
- 森口 愛美(もりぐち まなみ)
- 演 - 芦田愛菜
悠子の娘。いつも、愛美を預けている学校のプールの裏手に住んでいる竹中が入院してからは昼間は保育所に預け、なるべく早く仕事を終わらせ迎えに行っていたが、職員会議のある水曜日だけは学校の保健室で預かってもらっていた。B組の女子生徒、内藤由香里と松川早紀と仲がいい。ふわふわとしたものが好きで、若い女性や少女達に人気の『わたうさちゃん』を特に気に入っていた。
学校のプールで遺体として発見され、警察には事故死と判断されるが、その実態は殺人であり、悠子の担任生徒である「少年A」こと渡辺修哉が愛美をわたうさちゃんのポシェットに仕掛けた『びっくり財布』による電気ショックで気絶させ、同じく担任生徒である「少年B」こと下村直樹にプールに投げ落とされるというものだった。
彼女がターゲットに選ばれた理由は、母親である森口悠子にあり、「先生が「びっくり財布」を褒めてくれなかった」(渡辺)、「校則違反をした時、先生が自分を迎えにきてくれなかった」(下村)というあまりに自己中心的なものであった。2月13日水曜日没。
- 桜宮 正義(さくらのみや まさよし)
- 演 - 山口馬木也
悠子がS中学校の前に、新任の頃から3年間勤めたM中学校の教師。愛美の父親。「世直しやんちゃ先生」としてメディアで取り上げられ有名になった。少年時代は両親に恵まれず、特に継母と上手くいかず手のつけられない不良であり、海外を放浪しながら乱れた生活をしていたが、そこで過酷な生活をする人々を見ていくうちに改心。英語教師になった後はかつての自分のように道を外した子供達を更生させようと活動していた。悠子のフィアンセだったが、HIVに感染したことで子供の為を思い、彼女との結婚を断念。愛美が亡くなる前にエイズを発症し、4月末に死亡。聖職者であり、悠子も自分には持っていないものを持っている人だと発言した。自分が犯してしまった罪の大きさに気付き、せめてもの罪の償いとして森口が犯罪者になるのを阻止しようとした。結果、それには成功し、悠子に「犯人は二人とも必ず更生することが出来る」と言い残し、悠子の心にも若干の変化を与えた。しかし悠子は、父親であることよりも教育者としての彼の意見に完全には納得することが出来ず、結果、更に恐ろしい復讐を二人に実行した。
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